トレーニング中級者
「筋トレ始めたころより筋肉つかなくなったな~。」
「継続してるのになかなか成果が出てこない…。」
そんなときはフォースドレップ法がおすすめです。
フォースドレップ法は筋肥大に効果があるセット法です。
そのためボディビルダーがトレーニングに取り入れることがあります。
参考:
A Brief Review of Forced Repetitions for the Promotion of Muscular Hypertrophy: 2015
Journal of Strength and Conditioning Research: 2007
逆に筋力アップは期待できないため、パワーリフターは行わないセット法です。
この記事ではできるだけシンプルにわかりやすく解説していきます。
フォースドレップ法 理解編
フォースドレップ法は簡単にいうと、補助者にサポートしてもらうことで、自力では行えないレップ数を稼ぐトレーニングとなります。いくつかの論文では筋肥大に効果があるといわれています。
ベンチプレスを行っているときに、こんな経験ないですか?
- 「ギリギリのところで潰れちゃった...。」
- 「もう少しであと1回出来たのに...。」
そんなときに補助者にサポートしてもらうことで、強制的にレップ数を稼ぐことができます。
強制的にレップ数を稼ぐという点ではレストポーズ法が少し似ているかもしれませんね。
メリット・デメリットそれぞれあるので詳しく紹介いたします。
メリット
メリットは2つあります。
- 確実にオールアウトできる
- チーティングより怪我リスクが低い
それぞれ解説していきます。
確実にオールアウトできる
フォースドレップ法は自分の限界を超えて行うトレーニングです。
そのため、筋肉を限界まで疲労させることが可能です。
筋肉がもう「これ以上拳上できない。全てを出し切った。」という状態になることを「オールアウト」といいます。
オールアウトの状態は筋肉が疲労物質や血流でパンパンに満たされている状態です。
この刺激こそが筋肥大に対して、極上の刺激になります。
チーティングより怪我リスクが低い
レップを稼ぐ方法として、「チーティング」というテクニックがあります。
チーティングでは
- 反動を使う
- フォームを崩して行う
このような方法で無理やりレップ数を稼ぐテクニックであり、筋肉や関節に対しての負荷のかけ方を理解している上級者向けのテクニックです。
その反面、フォースドレップ法は2次的な効果として補助者にフォームを確認してもらえるということもあります。
デメリット
- 怪我のリスクが大きい
- 補助者のスキルが必要
怪我のリスクが高い
通常の1人で行うトレーニングでは行えない負荷をかけるため、筋肉や関節に大きな負荷がかかります。
そのためフォースドレップ法を高頻度で行うと、オーバートレーニングとなり怪我の原因となったり、筋肥大が停滞してしまったりする可能性があります。
フォースドレップ法を行う頻度は、1部位に対して1カ月に2回程度としましょう。
フォースドレップ法を行った後はコンディショニングが重要です。
十分な睡眠・十分な栄養・ストレッチ等でしっかりと体をケアしましょう。
補助者のスキルが必要
フォースドレップ法は補助者のスキルが必要となります。
補助の力が強すぎても弱すぎても効果が低くなります。
- 補助が強すぎると試技者の出力不足になる
- 補助が弱すぎると最大出力前に潰れる
補助者は試技者の筋力レベルをあらかじめ把握しておき、必要なタイミングでのみ補助を行うようにする必要があります。
また、補助を行うタイミングは種目によって異なります。
種目によって負荷が最大になるタイミング「スティッキングポイント」があります。
このわずかなタイミングでのみ補助を加えることによって、試技者の力を出し切ることができるのです。
「じゃあスティッキングポイントってどこよ!」
実践編で説明いたします。
フォースドレップ法 実践編
ここからはフォースドレップ法をトレーニングに取り入れる実践編となります。
補助の注意点
- 試技者が限界を迎えるまで補助は行わない
- 最小限の力での補助を行う
- 補助はスティッキングポイントのみ行う
上記でも述べたように補助者のスキルが高くないと怪我の原因になり得ます。
フォースドレップ法を行うタイミングは、事前に試技者と補助者の間で合図を決めておきましょう。
ジムでよく見かけますが、阿吽の呼吸で補助を行うのは危険です。やめましょう。
種目別補助の方法
フォースドレップ法はトレーニングの種目によって、補助の方法・タイミングが異なります。
セットに取り組みやすいな種目について、ご説明いたします。
ベンチプレス
ベンチプレスでは試技者の頭の上あたりにベンチをまたいで立ちます。
補助者はバーベルを下から支えるように補助を行います。
スティッキングポイントは伸ばしたところと曲げたところの間となります。パーベルがポジティブ動作の中間地点となりますので、このタイミングで補助を行います。
ダンベルプレス・ショルダープレス
ダンベルプレスやショルダープレスでは試技者の後方に立ちます。
補助者は試技者の肘を下から支えるような形で補助を行います。
スティッキングポイントは伸ばしたところと曲げたところの間となります。パーベルがポジティブ動作の中間地点となりますので、このタイミングで補助を行います。
ラットプルダウン
ラットプルダウンは試技者の後方に立ちます。
補助時はバーを後ろからグリップします。
スティッキングポイントは筋肉が一番収縮される最後の部分となります。
バーを胸の近くまでもっていくように補助を行います。
バーベルカール
バーベルカールでは試技者の前側に立ちます。
補助時は正面からバーをグリップします。
スティッキングポイントはポジティブ動作の中間となりますので、試技者とタイミングを合わせてサポートするようにしましょう。
スクワット
スクワットでは試技者の後ろ側に立ちます。
スクワットは重量が重く重心も高い種目のため、補助の難易度が高いです。
特に補助スキルが高くないと怪我や事故につながる可能性があります。
ラックアップ・スタートポジションまでセットするまで気を抜かずに補助してください。
スティッキングポイントはネガティブ動作からポジティブ動作に切り替わるタイミングとなります。
最後に
- オールアウトするためのトレーニング方法
- トレーニングの効果が補助スキルに依存する
- セット法を組む頻度は月に2回程度に抑える
筋肥大にとても効果があるトレーニングであるため、高頻度で取り入れたい気持ちがあると思いますが、補助慣れしたり、疲れが取りきらなかったりするため、月2回程度としましょう。
また、フォースドレップ法は毎セット取り入れるのではなく、2~3セットくらいに抑えるほうが一番効果があるように思えます。
ぜひ普段のトレーニングに組み込んでみてください!
それではいいワークアウトライフを!